柏市民新聞第1558号より引用


がん相談に1年で800人
 多彩な支援メニュー用意 がん患者・家族総合支援センター

 がんになっても安心して暮らせるまちづくりを目指し、がん患者や家族の総合的な相談に無料で応じる「がん患者・家族総合支援センター」が柏の葉キャンパス駅前に開設して1周年を迎えた。
 国立がんセンター東病院と柏・我孫子の医師会が運営。看護師2人が常駐し、相談事業を柱に、サポーターの支援や地域緩和ケアの推進、情報提供などを行っている。
 相談窓口には、6月末の約1年間で781件の悩みが寄せられ、うち初回が593件だった。相談者の内訳を見ると、患者が330人、家族が428人(配偶者184人、子供149人)と多く、医療福祉従事者42人、友人や親戚など47人が利用。相談者の居住地は、柏市が33%、流山市が11%、我孫子市が8%となり、3市で半数を超えている。
 相談内容は、診断・治療の理解や選択に悩む内容が最多で、療養場所の選定や患者の精神的負担が後に続いた。
 診断や治療に関する相談は、「治療が効いているかどうかわからない」、「どんな治療なのか不安だ」、「治療を選べと言われても悩んでしまう」など。また、精神的負担に関しては、患者自身は「治療期間が長くて先が見えないのが不安」「なにもする気がなくなった」などの悩みを抱え家族は「家族として自分に何ができるかわからない」「がんになった子供の将来が心配だ」などという相談が寄せられた。
医療の隙間埋める
 同センターは、サポーターの支援としてがん患者や家族が集える場所や機会を企画。多様なサービスを無料で提供しているので、利用率も高くなっている。
 がんによって自分を見失った人が自分を取戻すためのスキルを学ぶ「患者サポート・グループ」は、世界規模でがん患者支援を行っているNPO法人「ジャパン・ウェルネス」が、臨床心理士など専門家を支えたグループ交流を月2回実施。同じ境遇に立たされた患者同士が集い、専門家のアドバイスを受けながら患者同士が心の悩みを打ち明けあうことで心のケアに繋がっているという。
 また、「がん哲学外来」は、順天堂大学医学部の樋野興夫教授が、全国で初めて開設。がん医療の専門家が患者と同じ目線で悩みを受け止め、その患者がどう生きるか考える糸口まで導く全人的な心のケアを行っている。月に一回、一人一時間程度の面談。現在、NPO法人化し、全国4ヶ所で同様の窓口を開設。がん医療の隙間を埋める新たな取組みとして全国展開していく考えだ。
 その他、アロマオイルで患者をマッサージし、心身を癒す「アロマトリートメント講習会」=不定期で午後1時半~5時。患者の状況に応じた献立や調理法を指導する「柏の葉料理教室」=第2、4木曜日、10時半~12時半。患者・経験者がリラックスしたムードで語り合う「乳がんサポート柏の葉茶話会」=第1土曜日(午後1時~3時)、第3水曜日(午後2時~3時半)など開催している。
 問い合わせ先:04-7137-0800 同センター。

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