下記のニュースによると毎年6月に公表する、学校施設の耐震診断・改修の状況がマスコミに事前に知らされたようです。
 文部科学省のHPには未だ公表されていませんでした(報道発表の欄に記載なしだった)ので、今後発表になるのかもしれません。
 さて、報道によると未だ、耐震診断が行われていない学校が3000棟以上もあるということですから、各地の行政の対応が問われることになりそうです。
 耐震改修は未だに4万棟以上必要であるということで、これだけ昨年からの補正予算を組み、税金を突っ込んでもいまだに100%に至らないのですから、相当に時間がかかります。
 2006年の改正耐震改修促進法によれば、2015年までに改修90%終了を目指していたと思いますが、まだまだ道のりは険しそうです。

【引用】時事通信 「7309棟で倒壊の危険=公立小中、震度6強で-文科省調査」
6月16日12時45分配信
 全国の公立小中学校の校舎や体育館12万4976棟のうち、震度6強程度の大規模地震で倒壊の危険性が高い建物は4月1日現在で推計7309棟あることが16日、文部科学省の調査で分かった。全体の耐震化率は67.0%で前年度から4.7ポイント改善したが、未改修などで耐震性が担保されていない建物は依然、4万1206棟(33.0%)に上る。
 調査結果によると、耐震基準を強化した1982年よりも前に建てられたのは全体の59.8%の7万4796棟。このうち、耐震性がなく未改修なのが3万8001棟、耐震診断の未実施が3205棟で、計4万1206棟は耐震性が不十分だった。
 この中で、震度6強程度で倒壊の危険性が高いのは、診断未実施の一部も含め、推計7309棟。都道府県別では、大阪が最多の527棟で、以下、北海道438棟、兵庫351棟と続く。耐震化率は、93.4%の神奈川、ともに90.1%の宮城、静岡などが高い一方、46.6%の長崎や48.1%の山口などは低水準で、地域差が大きい。
 また、昨年6月施行の改正地震防災対策特別措置法は、公立小中学校について耐震診断の実施と結果の公表を自治体に義務付けた。しかし、診断実施率は95.7%にとどまり、320団体(17.0%)は結果を公表していなかった。 


 では千葉県、柏市の状況はどうなっているのか、ということで調べてみますと、県は20年4月現在、柏市は21年3月現在で下記の通りでした。

■公立小中学校の状況
 耐震診断率 
  千葉県 4858棟中4751棟(96.7%)の診断は完了または診断の必要性なし
  柏 市 283棟中283棟(100.0%)の診断は完了または診断の必要性なし

 耐震化率
  千葉県 4858棟中2787棟(57.4%)は改修工事完了または工事必要なし
  柏 市 283棟中184棟(65.0%)は改修工事完了または工事必要なし

■公立高等学校の状況
 耐震診断率 千葉県97.9%
 耐震化率 千葉県59.3%

■特別支援学校の状況
 耐震診断率 千葉県100%
 耐震化率  千葉県87.2%

まだ千葉県の状況も良い状況とはいえません。

 新聞記事では「震度6強で倒壊の危険性が高い」と記されていますが、恐らくIs値0.3以下の、改修が必要な建築物数の事を指しているのではないかと思われます。

 例えばIs値0.6は耐震強度が60%という意味ではなく、震度6強クラスの地震が発生したとしても倒壊が起きないとするのが0.6という数字(国土交通省基準)のようです。

 国でも県でも市でもこれまでIs値0.3以下の建物を優先的に、大規模な改修や補強を進めてきていたと記憶していましたので、そろそろ0.3~0.6の中規模から小規模な改修促進に向かっていくものと思われます。

 ただ地域の自治体の考え方や財政状況によって、ずいぶん格差が出ているようですので、お住まいの自治体で確認された方がよいと思います。

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