麻生内閣の経済対策(上)
2009年5月9日 国会・国政JAM議員団研修会の経済対策勉強会の内容を主なものをピックアップして、下記に記しておきます。
Ⅰこれまでの対応について
麻生内閣における経済対応
(1)安心実現のための緊急総合経済対策--11.5兆円
20年10月に成立したいわゆる20年度第一次補正予算。
決定は福田内閣。
民主党は余り効果が期待できないかもしれないが、やらないよりやったほうがいいとの立場で賛成。
(2)生活対策--26.9兆円
21年1月に成立したいわゆる20年度第二次補正予算。
民主党は定額給付金のみ修正案を提出し、参議院では成立したものの両院協議会で衆議院を優先することになった。
(3)生活防衛のための緊急対策--37兆円
21年3月に成立したいわゆる21年度当初予算
民主党はばら撒きとして反対に回った。
合計で(1)~(3)で75兆円程度行ったが、枠を用意した部分が大きくなっているので、実質の財政措置は12兆円程度。
※下記の☆印は津田事務所に対して、政府が重要なものと説明したもの。
雇用対策
《20年度実施済み》
○住宅生活対策(300億円程度)
☆雇用維持対策(545億円程度)
☆雇用調整助成金の助成率を2/3から4/5に引き上げ
・雇用調整助成金の支給要件の緩和及び対象労働者の拡大
○非正規雇用対策等に関する支援(100億円程度(一部重複))
など
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
○雇用維持対策(500億円程度(一部重複))
☆再就職支援対策(4800億円程度)
☆地方公共団体による雇用機会の創出
→ふるさと差雇用再生特別交付金(2500億円)
※千葉県では現在、47件で3億6700万円を使い126人の雇用創出・けんちゃん調
→緊急雇用創出事業(1500億円)
※千葉県では現在189件で14億2900万円を使い1311人の雇用創出・けんちゃん調
○内定取消対策(3億円程度)
☆雇用保険料の引下げ(6400億円程度)
・21年度に限り0.4%(労使各0.2%)引下げ
民主党はこの雇用情勢で雇用保険会計が苦しくパンク状態であることを考慮して反対した。
○雇用保険の給付見直し(1700億円程度)
など
社会保障
《20年度実施済み》
○医療の安心確保(3200億円)
○年金記録問題への対応(200億円)
そもそも政府の失態によって出た問題の解決に向けた施策でこれは経済対策といえるのか。
○出産子育て支援(100億円)
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
☆介護従事者の処遇改善と人材確保(1700億円程度)
☆介護報酬改定等による介護従事者の処遇改善
-3%の介護報酬改定
施設に行くだけ、との指摘もある。実際には介護従事者の給与に跳ね返るのは微々たるもの。
☆出産・子育て支援の拡充(2500億円程度)
☆安心子ども基金(1000億円)創設
☆安心安全な出産の確保
・妊婦検診の14回程度の無料化
○障害者支援の拡充(約900億円)
内容は自立支援法の円滑施行で、法改正に基づくもので経済対策とは言いがたいのではないか
など
○医療年金対策(700億円)
後期高齢者医療制度の負担軽減や年金記録問題などで法の改正に基づくものでこれも経済対策とは言いがたいのではないか。
金融・資金繰り・中小企業支援対策
《20年度実施済み》
☆中小企業資金繰り対策(9兆円)
・信用保証協会の保証枠を6兆円規模に拡大
○日本金融政策公庫の危機対応業務の発動
○建設業の資金調達の円滑
○下請け業者の保護
など
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
☆中小企業資金繰り対策の更なる拡充(30兆円)
・9兆円規模を30兆円に拡大
☆改正金融機能強化法に基づく国の資本参加枠拡大
・2兆円から12兆円に拡大。
既に資本注入されているのが北洋銀行が1000億円、鹿児島県の南日本銀行が150億円、福井県の福邦銀行が60億円。また山形県の荘内銀行、秋田県の北都銀行、三重県の第三銀行が注入申請の検討をしている。けんちゃん追記
○中堅・大企業の資金繰り対策(3兆円)
☆中小企業対策税制(国税2200億円、地方税200億円程度)
☆法人税の軽減税率(現行は年間の所得額800万円以下の部分に対して22%)を18%に引下げ
など
生活者支援
《20年度実施済み》
○消費者政策強化対策(20億円程度)
消費相談体制の強化などの取組だが、これも経済対策といえるのか。
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
☆定額給付金の実施(2兆円)
○消費者庁の創設など消費者政策の抜本強化等(約268億円)
消費相談体制の強化、食の安全対策の強化などの取組だが、これも経済対策といえるのか。
成長力強化、低炭素社会の実現
《20年度実施済み》
☆省エネ・新省エネ設備の導入加速
○交通分野の省エネ化、モーダルシフト
エコカーなどの省エネ型交通機関の普及としているが、CO2対策とするなら高速道路の値下げは矛盾しないのか。必要なのは、休日ではなく平日の貨物運搬用トラックなどの物流などで必要な緑ナンバーの無料化では。
○地域の生活排水対策
など
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
○省エネ・新省エネ設備などの投資促進税制(国税1300億円程度、地方税600億円程度)
○環境性能に優れた自動車に対する減免(国税1000億円程度、地方税1100億円程度)
・自動車重量税、自動車取得税の減免
地域活性化・農林水産業対策
《20年度実施済み》
☆高速道路料金引下げ(約1000億円)
夜間深夜割引の拡充、地方部の休日昼間の割引導入
○強い農林水産業創出対策(約1510億円)
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
☆高速道路料金の引下げ
・大都市圏を除く平日の全時間帯の3割引
・大都市圏を除き乗用車は土日祝日原則上限1000円
・首都高速、阪神高速の休日に一定の割引導入
○地域活力基盤創造交付金を創設(9400億円)
○農林水産業(1383億円)
☆地方公共団体支援策(1兆円)
☆雇用創出のための地方交付税増額
・自治体に長期低利資金を融通できる地方共同の金融機構の創設
住宅・防災対策
《20年度実施済み》
○省エネ長寿寿命住宅の振興・住宅投資の活性化
○児童を地震から守る学校づくりの推進(約2065億円)
○地震、集中豪雨などによる災害の復旧・防災、消防などの対策(約4400億円)
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
○高齢者の安全安心を支える居住空間の確保等
☆住宅減税や容積率の緩和などによる住宅投資の促進等(145億円、国税1800億円・地方税1700億円程度の税制改正)
この2年間に家を購入下人だけがなぜ優遇されるのか、などの政策の公平性に疑問が出てくる。また資金を持っている人だけが優遇されるなどの批判もある。
☆住宅ローン減税などの最大控除可能額を現行160万円から600万円へ引上げ
☆公共施設の耐震化等防災対策
・学校等耐震化(787億円)
・集中豪雨、耐震対策等防災対策(1236億円)
下記の資料をもとに勉強会が行われていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
尚、この資料は内閣府で取りまとめられています。これは複数の省庁にまたがる場合は内閣府または内閣官房がとりまとめることになっているそうです。例えば防災や男女共同参画といったものはここで取り扱われるそうです。内閣官房が官邸主導であるのに対し、内閣府は省庁が主導のようです。千葉県で言えば、総合企画部、柏市で言えば企画部にあたるものと思われます。
《資料》「安心実現のための緊急総合対策」「生活対策」及び「生活防衛のための緊急対策のポイント 21年3月内閣府
http://www5.cao.go.jp/keizai1/2009/090304point.pdf
Ⅰこれまでの対応について
麻生内閣における経済対応
(1)安心実現のための緊急総合経済対策--11.5兆円
20年10月に成立したいわゆる20年度第一次補正予算。
決定は福田内閣。
民主党は余り効果が期待できないかもしれないが、やらないよりやったほうがいいとの立場で賛成。
(2)生活対策--26.9兆円
21年1月に成立したいわゆる20年度第二次補正予算。
民主党は定額給付金のみ修正案を提出し、参議院では成立したものの両院協議会で衆議院を優先することになった。
(3)生活防衛のための緊急対策--37兆円
21年3月に成立したいわゆる21年度当初予算
民主党はばら撒きとして反対に回った。
合計で(1)~(3)で75兆円程度行ったが、枠を用意した部分が大きくなっているので、実質の財政措置は12兆円程度。
※下記の☆印は津田事務所に対して、政府が重要なものと説明したもの。
雇用対策
《20年度実施済み》
○住宅生活対策(300億円程度)
☆雇用維持対策(545億円程度)
☆雇用調整助成金の助成率を2/3から4/5に引き上げ
・雇用調整助成金の支給要件の緩和及び対象労働者の拡大
○非正規雇用対策等に関する支援(100億円程度(一部重複))
など
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
○雇用維持対策(500億円程度(一部重複))
☆再就職支援対策(4800億円程度)
☆地方公共団体による雇用機会の創出
→ふるさと差雇用再生特別交付金(2500億円)
※千葉県では現在、47件で3億6700万円を使い126人の雇用創出・けんちゃん調
→緊急雇用創出事業(1500億円)
※千葉県では現在189件で14億2900万円を使い1311人の雇用創出・けんちゃん調
○内定取消対策(3億円程度)
☆雇用保険料の引下げ(6400億円程度)
・21年度に限り0.4%(労使各0.2%)引下げ
民主党はこの雇用情勢で雇用保険会計が苦しくパンク状態であることを考慮して反対した。
○雇用保険の給付見直し(1700億円程度)
など
社会保障
《20年度実施済み》
○医療の安心確保(3200億円)
○年金記録問題への対応(200億円)
そもそも政府の失態によって出た問題の解決に向けた施策でこれは経済対策といえるのか。
○出産子育て支援(100億円)
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
☆介護従事者の処遇改善と人材確保(1700億円程度)
☆介護報酬改定等による介護従事者の処遇改善
-3%の介護報酬改定
施設に行くだけ、との指摘もある。実際には介護従事者の給与に跳ね返るのは微々たるもの。
☆出産・子育て支援の拡充(2500億円程度)
☆安心子ども基金(1000億円)創設
☆安心安全な出産の確保
・妊婦検診の14回程度の無料化
○障害者支援の拡充(約900億円)
内容は自立支援法の円滑施行で、法改正に基づくもので経済対策とは言いがたいのではないか
など
○医療年金対策(700億円)
後期高齢者医療制度の負担軽減や年金記録問題などで法の改正に基づくものでこれも経済対策とは言いがたいのではないか。
金融・資金繰り・中小企業支援対策
《20年度実施済み》
☆中小企業資金繰り対策(9兆円)
・信用保証協会の保証枠を6兆円規模に拡大
○日本金融政策公庫の危機対応業務の発動
○建設業の資金調達の円滑
○下請け業者の保護
など
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
☆中小企業資金繰り対策の更なる拡充(30兆円)
・9兆円規模を30兆円に拡大
☆改正金融機能強化法に基づく国の資本参加枠拡大
・2兆円から12兆円に拡大。
既に資本注入されているのが北洋銀行が1000億円、鹿児島県の南日本銀行が150億円、福井県の福邦銀行が60億円。また山形県の荘内銀行、秋田県の北都銀行、三重県の第三銀行が注入申請の検討をしている。けんちゃん追記
○中堅・大企業の資金繰り対策(3兆円)
☆中小企業対策税制(国税2200億円、地方税200億円程度)
☆法人税の軽減税率(現行は年間の所得額800万円以下の部分に対して22%)を18%に引下げ
など
生活者支援
《20年度実施済み》
○消費者政策強化対策(20億円程度)
消費相談体制の強化などの取組だが、これも経済対策といえるのか。
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
☆定額給付金の実施(2兆円)
○消費者庁の創設など消費者政策の抜本強化等(約268億円)
消費相談体制の強化、食の安全対策の強化などの取組だが、これも経済対策といえるのか。
成長力強化、低炭素社会の実現
《20年度実施済み》
☆省エネ・新省エネ設備の導入加速
○交通分野の省エネ化、モーダルシフト
エコカーなどの省エネ型交通機関の普及としているが、CO2対策とするなら高速道路の値下げは矛盾しないのか。必要なのは、休日ではなく平日の貨物運搬用トラックなどの物流などで必要な緑ナンバーの無料化では。
○地域の生活排水対策
など
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
○省エネ・新省エネ設備などの投資促進税制(国税1300億円程度、地方税600億円程度)
○環境性能に優れた自動車に対する減免(国税1000億円程度、地方税1100億円程度)
・自動車重量税、自動車取得税の減免
地域活性化・農林水産業対策
《20年度実施済み》
☆高速道路料金引下げ(約1000億円)
夜間深夜割引の拡充、地方部の休日昼間の割引導入
○強い農林水産業創出対策(約1510億円)
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
☆高速道路料金の引下げ
・大都市圏を除く平日の全時間帯の3割引
・大都市圏を除き乗用車は土日祝日原則上限1000円
・首都高速、阪神高速の休日に一定の割引導入
○地域活力基盤創造交付金を創設(9400億円)
○農林水産業(1383億円)
☆地方公共団体支援策(1兆円)
☆雇用創出のための地方交付税増額
・自治体に長期低利資金を融通できる地方共同の金融機構の創設
住宅・防災対策
《20年度実施済み》
○省エネ長寿寿命住宅の振興・住宅投資の活性化
○児童を地震から守る学校づくりの推進(約2065億円)
○地震、集中豪雨などによる災害の復旧・防災、消防などの対策(約4400億円)
《2次補正、21年度予算で実施する施策》
○高齢者の安全安心を支える居住空間の確保等
☆住宅減税や容積率の緩和などによる住宅投資の促進等(145億円、国税1800億円・地方税1700億円程度の税制改正)
この2年間に家を購入下人だけがなぜ優遇されるのか、などの政策の公平性に疑問が出てくる。また資金を持っている人だけが優遇されるなどの批判もある。
☆住宅ローン減税などの最大控除可能額を現行160万円から600万円へ引上げ
☆公共施設の耐震化等防災対策
・学校等耐震化(787億円)
・集中豪雨、耐震対策等防災対策(1236億円)
下記の資料をもとに勉強会が行われていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
尚、この資料は内閣府で取りまとめられています。これは複数の省庁にまたがる場合は内閣府または内閣官房がとりまとめることになっているそうです。例えば防災や男女共同参画といったものはここで取り扱われるそうです。内閣官房が官邸主導であるのに対し、内閣府は省庁が主導のようです。千葉県で言えば、総合企画部、柏市で言えば企画部にあたるものと思われます。
《資料》「安心実現のための緊急総合対策」「生活対策」及び「生活防衛のための緊急対策のポイント 21年3月内閣府
http://www5.cao.go.jp/keizai1/2009/090304point.pdf
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