市都計審答申 「拡大一途から成熟型へ」
2009年4月13日 事務所から引用 柏市民新聞 第1550号 4/10号
「拡大一途から成熟型へ」
将来都市づくりの基本方針
首都圏のベッドタウン、商業都市として急激に拡大、発展を遂げてきた柏市。市都市計審議会(丸田頼一会長)は先月26日、市の将来都市づくりに関する基本的な方針を示す「市都市計画マスタープラン」案を了承した。柏市は、これまでの市街地拡大型から成熟型の都市づくりに入ることになる。この答申を基に執行部は今後、最終計画を確定、公表する。マスタープランは、まちづくりで市が目指す将来都市像を描いたもので、土地利用の規則など具体的な都市計画を定める上の指針だ。
「市街地拡大型から成熟型へ」「原則として新たな住宅地開発のための市街地化区域の拡大抑制」「準工業地域における大規模集客施設の立地制限」。
市都市計画マスタープランには、柏市の将来のまちづくりについて、こうした方針が具体的に盛り込まれ、拡大一辺倒できた柏市の都市政策が大きな節目を迎えている。
計画の中では、社会の変化などこれまでの柏市の都市づくりに変革を迫った構造的な要因として▼少子高齢化社会▼財政状況の制約▼地球環境の深刻化▼中心市街地とTX沿線をはじめとした地域特性の変化▼市民参加(協働)による都市づくりの5点を上げている。これまでは「急激な人口増加や商業・産業の急速な集中に対応した都市基盤の整備」が主要な課題だった。
今後の都市づくりの理念は「環境想造都市」と設定。その上で、都市づくりの基本的な考え方として、①コンパクトな都市②持続可能な都市③活力のあるまちを目標に置き、温暖化を含めた地球環境に係る「低炭素型都市づくり」と、人と社会のつながりや民産学公の役割分担の視点から「次世代型まちづくり」を指針とした。
具体的には分野別方針として、道路・交通、住環境整備、景観まちづくり、水と緑、拠点整備、安心・安全なまちづくりの6つの項目に分けて事業や施策の方針を掲げている。
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市の都市計画マスタープランは平成18年から策定作業に入った。計画づくりにあったては、総合計画や市の関係計画と整合させるための調整や節目節目で都計審に意見を求めたほか、市民を交えた地域別の構想づくりに1年間を費やした。地域の声を反映させた「地域別構想」を計画全体の土台に据えるためだ。
ふるさと協議会やPTAなど地域組織からの推薦や公募により99人の市民委員を委嘱。平成19年9月から北部、中央、南部の地域別のワークショップを柱に合わせて12回の会合を開き、地域別構想を練った。
全部で3回のパブリックコメントを通じて市民意見を募り、市都計審に最終的な執行部案を諮問。先月26日にマスタープランの策定について答申を受けた。
プランは序章「都市計画マスタープランとは」、1章「都市づくりの背景」、2章「地域別構想」、3章「将来都市構想」、4章「分野別方針」、5章「実現化方策」の6つの章立てになっている。
都市計画マスタープランの策定は、平成4年の法改正で定められ、旧沼南町では平成13年に既に取りまとめているなど柏市は近隣自治体の中で、最も後発となっていた。
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