議員の品格

2008年10月17日 国会・国政
中山前国土交通大臣が不出馬について、前言を翻したかと思えば、それを拒否されるという一幕はなんとも同じ政治に携わるものとして残念としか言いようがないですね。

政治に対して不信感やあきれを増幅させる結果につながるし、こんなことをやっているから政治家へのイメージは悪いものになってしまうのでしょう。

フィリピン人女性の入国口利きなどの問題も、政治家の品格を落とすものとなるでしょうね、きっと。

議員をやって地域を回っていれば、困っている人からお願いされることはたくさんあります。
例えば「大声で夜中に怒鳴る隣人を何とかしてほしい」などの相談、例えば「失踪したこどもを探してほしい」、「病院から追い出された、なんとかしてほしい」といった相談もあるんです。なかには制度上の問題で行政が動けないような問題もときには持ち込まれます。自分は対応できるものは対応するし、ルール上対応できないものはお断りしています。

でもそれを対応する見返りに金品をいただくことは、自分としては望みません。確かに政治活動をやればやるほどお金はかかります。例えば議会報告ビラをまくにしても、柏市内15万世帯にまけば、一度で100万円はかかりますし、一万人に手紙で報告書を出せば郵送料だけで80万円(市内特別で50万円)かかります。

でもお金がかかるからといって、何かをやってあげたらいくらもらう。というのはサービス業でやればいいことで、税金で活動させてもらっている以上その分くらいは働くのが当たり前です。困っている人を助けてあげたいと議員になるんですから、当たり前なんです。

それでも、この人だったら、世の中を変えてくれる、と応援していただけるのであれば企業からではなくて、正規の手続きをふんで個人で献金してくれればいいと思うのです。

政治に携わる者というのは、お願い事をされたとき「それをやって、国民の多数の幸せにつながるか」という判断基準を自分なりに持っていないとできないし、その判断基準を示すことが選挙のときで、基準そのものは選挙公約だと思います。

もちろん応援してくれた人から「これをやってほしい」といわれれば「やらなければ」と思うのが人情だと思いますが、その判断基準から外れていれば理由を説明した上できっぱり断らなければならないのではないでしょうか。

以前、「うちの子供を○○小学校(頼まれた方の住まいの学区外で駅に近い学校)に入れて」と頼まれたことがありましたが、「正当な理由もないのにできないし、子供さんも近くのお友達と離れることになりいじめなどの原因になりますよ」とお断りしました。

もちろんその頼んできた方は「この議員何もやってくれない」と思ったかもしれませんが、共通のルールに即していない方へはルールを守るように伝えるのが私の立場だろうし、子供のためには私はそれでよかったと思うのです。

信念をもって、議会で発言することは大事です。
ただ見返りを求めてすることはやはり品格を落とすものになるのではないでしょうか。
そして出処進退について前言を翻すということは、甚だ品格を失うことにつながるので、二度とこんなことがないようにしていただきたいですね。

【引用】10月17日11時55分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081017-00000007-maip-pol
中山前国交相 衆院選「やっぱり不出馬」古賀氏が調整拒否
 自民党の中山成彬・前国土交通相(65)は17日午前、宮崎市内で記者団に「不出馬の意向に変わりはない」などと話し、前夜の「不出馬撤回」の発言を否定した。中山氏は16日、「宮崎をはじめ全国から『次期衆院選に出てくれ』という声があった」などとして、支援者や党県連の幹部らに「不出馬撤回」の意向を伝え、17日に党本部で(不出馬撤回の)会見を行う予定だった。
 中山氏は16日夜、自民党の古賀誠選対委員長と電話で会談したが、立候補に関して自民党の調整を拒否され、再出馬を断念したものと見られる。党選対幹部らによると、中山氏は会談で「宮崎1区の自民党支部や後援会は強い出馬要請の気持ちを持っている」と伝えたが、古賀氏は「後援会の問題ではなく、あなた自身が判断すべきことだ」とはねつけたという。

 古賀氏は17日午前、国会内で記者団に「中山さん個人の話だ。党が関与する話ではない」と述べ、党は調整しない考えを明らかにした。

 同党宮崎県連は17日午前、宮崎市の県連本部で緊急役員会を開いた。会合前、緒嶋雅晃・県連会長は記者団に「今朝は中山さんから何の連絡もない。だが、宮崎1区の公募制は予定通り実施する」と語った。

 古賀氏が中山氏からの調整の要請を断ったのは、解散総選挙が近いとみられる中で、いったん不出馬を決めた中山氏の出馬が自民党にダメージを与えることを懸念したとみられる。党選対幹部は「党がこんな問題に介入したら国民に笑われる」と述べた。【田所柳子、小原擁】

 ◇県連会長「政治家としての品格問われる」

 中山氏は、古賀氏と話し合ったことを認めたうえで、「地元の情勢について情報交換し、後援会が強い出馬要請の気持ちを持っていることを伝えた」とした。

 「出馬の意向ではなかったのか」との記者団の問いには、「私は一貫して不出馬を表明している」と突っぱねた。また、党本部で行う予定だった会見設定についても「党本部でセットするということだったので、知らない」としらを切り、「(古賀委員長が)会見する必要はない。紙一枚あればいいというので(宮崎に)帰ってきた」と、迷走発言を繰り返した。

 中山氏は「混乱させるつもりはなかった。申しわけない」と陳謝し、党県連が推薦する候補については「応援したい」と語った。

 一方、党県連は17日、市内で緊急役員会を開き、中山氏の言動にかかわらず、予定通り公募制を実施することを確認した。終了後、緒嶋雅晃・県連会長は「中山氏には言葉に責任を持っていただきたい。政治家としての品格が問われる」と苦言を述べた。

 また中山氏はこの後、鹿児島の寺に行き、座禅を組むという。

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