996円安

2008年10月8日 意見
株価の下落が止まらない。

衆院予算委で、実体経済を注視し必要であれば追加の経済対策をしていくとの総理の見解が出されてわずか2日後のことだ。

昨日の日本株10000円割れにも衝撃があったが、今回の下げ幅は異常。
福田政権下でつくられた8/29の緊急経済対策として、今回提案されている補正予算はあくまでもガソリンや食料品などの物価高騰対策であり、サブプライムローン問題以後の対策だけであり、自民党が総裁選をのんびりやっている間に出たリーマンブラザーズ破綻→AIG救済→アメリカ下院の金融安定化法議案否決→金融危機という流れは加味されていないはずだ。

現在開かれている千葉県議会でも、補正予算による緊急対策はあくまでガソリン・燃料価格の高騰による影響を考えた中小企業対策としての融資枠の拡大だけであり、200億円を積みまして、融資枠を600億円にしたもの。

昨日の総合企画水道常任委員会でも県民主党から指摘した緊急経済対策について、県当局の判断は「国の追加対策などを見極めて」という答弁に終始している。
結果から見るのは「口では何とでも言える」といわれそうだが、結局9/1に福田総理が辞任せず、予定通り9/12から国会が開かれていれば、政府ももう少し早く対応ができたに違いない。その点から考えると福田総理がなぜこの時期に辞任をしたのかがやはり問われてくるのではないだろうか。

民主党は今回の補正予算に国会でも県議会でも賛成の見通しだが、もう一段の緊急経済対策や、金融危機に対応することが必要だ。年末年始にかけて企業倒産をさせてはならないし、国民に与える影響は極力小さくしていく必要があるだろう。

今後、景気は減退、円高が進行するも輸出は急激にストップが掛かり、自然と内需に期待をせざるを得ない動向となる。今後の経済対策について、民主党も確たる支援策を打ち出していかなければ有権者から見放される。

私はこの際、BIS基準については一時引き下げるか凍結するのも手ではないかと考える。今後、株価の下落、金融不安から金融機関の自己資本比率が低下することが見込まれるためだ。そのため年末から年度末にかけて、貸し渋りや貸しはがしが横行することが懸念されるからだ。一時でも信用収縮が続き「あの金融機関が危ない」などの取り付け騒ぎがでれば大きなダメージを受けることにもなるから、早めにBIS基準のような自己資本比率規制に対して手を打っておく必要があるし、ペイオフの限度額引上げなどの緊急時のシュミレーションを考えておく必要があると思う。

また中小企業対策として融資枠を拡大するのはやぶさかではないが、安易な融資や新銀行東京のような口利き融資を防止する施策なども必要なのではないだろうか。

さらには、緊急経済対策にあわせて今後の日本の産業構造についても確たるビジョンを示す必要があるのではないか。農業、工業などの第一次、二次産業後から安価な労働市場を求めて海外に出てしまった製造業の脱日本化が、後に三次産業に傾斜せざるをえなくなったことにつながり、今日本は産業空洞化になっているいのではないだろうか。それが日本の実態経済の弱みになっているような気がしてならない。IT産業はもう古い部類になりつつあり、今後は知的財産製造業といえばいいのか、例えば映像、アニメやゲームなどの輸出で稼ぐ企業を育成したりすることも必要ではないだろうか。
そのほかにも雇用対策やものづくり産業の担い手育成、ものづくり産業継承支援など今後の日本の産業の方向性も併せて考えておかねばならない

日本人はムードに弱いとも言われている。TOPが常に早めの提案をしていき、ムードを盛り上げていくことができるかどうかも問われるのではなかろうか。

また自民党はまず財源を明確にした補正予算としていかなければまず見放される。双方ともに正念場といえる参議院審議を迎えることになりそうだ。


【引用】毎日新聞 夕刊
 8日の東京株式市場は、前日の米国株価が急落したことなどを受け、取引開始直後からほぼ全面安の展開となった。日経平均株価は5営業日続落、一時、前日終値比996円09銭安の9159円81銭まで値下がりした。終値は同952円58銭安の9203円32銭だった。下落率は9.38%で、戦後3番目の下げ率となった。終値で1万円を割り込んだのは03年12月以来4年10カ月ぶり。この株価は03年6月30日以来約5年3カ月ぶりの安値水準となる。

 TOPIX(東証株価指数)も5日続落し同78.60ポイント安の899・01で取引を終えた。900ポイント割れは03年6月26日以来5年3カ月ぶり。

 一方、アジアの主要株式市場でも大幅下落が続いた。

 香港株式市場のハンセン指数や台湾市場の下落率が5%以上となったほか、中国の上海総合指数も3%下落した。シンガポール、豪州も同5%近く、韓国市場は6%以上下落している。インド市場も7%を超す下落幅となっており、世界同時株安の連鎖が止まらない状況だ。

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