年金一元化法案が閣議決定された事が報じられました。
「羊頭狗肉」と与党議員にすら言われるお粗末な法案のようです。
改正というけれど
・積立金の半分は独自運用してよく、その利益を公務員の保険料軽減に使う
・パート労働者の将来の年金低額化を防ぐために適用拡大を目指したもののその数は1〜2%(パート労働者1200万人のうち10万数人程度)
・保険料負担のない「第三号被保険者」の問題の解決になっていない
など根本の問題が解決にはいたらない、またもや看板の架け替え改革のようです。
「年金受取と支払いにおける不公平をなくすこと」に主眼を置かれた年金改革の看板倒れは大きい影響をもたらすと思います。
【毎日新聞】<年金>一元化法案を閣議決定
4月13日10時49分配信
【産経新聞】年金一元化法案 閣議決定 パートの加入基準拡大
4月13日16時3分配信
「羊頭狗肉」と与党議員にすら言われるお粗末な法案のようです。
改正というけれど
・積立金の半分は独自運用してよく、その利益を公務員の保険料軽減に使う
・パート労働者の将来の年金低額化を防ぐために適用拡大を目指したもののその数は1〜2%(パート労働者1200万人のうち10万数人程度)
・保険料負担のない「第三号被保険者」の問題の解決になっていない
など根本の問題が解決にはいたらない、またもや看板の架け替え改革のようです。
「年金受取と支払いにおける不公平をなくすこと」に主眼を置かれた年金改革の看板倒れは大きい影響をもたらすと思います。
【毎日新聞】<年金>一元化法案を閣議決定
4月13日10時49分配信
政府は13日午前、公務員らの共済年金を会社員の厚生年金に一元化するとともに、厚生年金など社会保険の適用をパート労働者にも広げる被用者年金一元化法案(厚生年金法などの改正案)を閣議決定した。旧恩給相当分として公務員共済に投入している税金「追加費用」を削減し、公務員OB約80万人の年金額を最大10%カットすることなどが柱。同日午後に国会に提出するが、審議時間を確保するのは難しく、成立は次期国会以降となる見通しだ。
追加費用を受けている公務員OBのうち、共済年金額が年250万円を超える人は、08年度から追加費用の27%がカットされる。ただし、削減額が年金額全体の10%以内となるよう調整する。
労使折半の保険料率は段階的に引き上げ、公務員共済は18年に、私学共済は27年にそれぞれ厚生年金の上限と同じ18.3%にそろえる。共済独自の上乗せ給付「職域加算」は10年に廃止する。新たな上乗せ年金の創設を明記する一方で、具体案は先送りした。
パートへの社会保険適用は、週の労働時間が「正社員の4分の3(30時間相当)以上」となっている現行基準を「週20時間以上」に緩和する。ただし、対象者を勤続年数1年以上で、月収が各種手当を除いて9万8000円以上あるパートに限る。学生は除外し、従業員300人以下の中小企業は「別の法律で定める日まで」適用を猶予する。適用拡大が始まる予定の11年9月時点で新たに適用されるパートは、十数万人にとどまるという。
◇解説
13日に閣議決定された厚生年金法改正案は、年金一元化に後からパートへの社会保険適用拡大が付け加えられた。パート支援を「再チャレンジ」の目玉に掲げる安倍晋三首相のメンツを重視する官邸側が、時間をかけるよう求めた厚生労働省を押し切った。だが、一部業界に配慮して妥協を重ねた結果、新規対象者は十数万人に絞り込まれ、調整にあたった与党幹部さえ「首相の顔を立てるためだけの法案」と自嘲(じちょう)する内容となった。
厚労省の基本線は、週の労働時間が20時間以上のパート約310万人を新たに社会保険へ加入させる案だ。ただ、企業の保険料負担増が2200億円に及び、04年の年金改革では退けられた。そこで「法案提出は08年度以降。その間に経済界を説得する」という構想を温めていた。
ところが「再チャレンジ重視」で急きょ官邸から今国会への提出をねじ込まれ、想定が崩れた。前倒しは案の定、多くのパートを抱える外食・流通業の強い反発を招き、準備不足の中、最優先事項は「中身より法案提出」へと変わる。その結果、勤続期間や収入が一定以上の人に限る妥協案が次々浮上、対象者の大半は看護師ら時給が高い専門職のパートとなった。使用者側の負担増は100億円台にとどまる。
法案本来の趣旨である年金一元化も踏み込み不足が指摘される。「共済年金」の名称は消えこそすれ、各共済は事務組織を存続させ、積立金も半分は手放さずに独自運用する。公務員には、それを財源に保険料が軽減される特典もつく。
社会保険を適用されるパートはわずか、一元化も「年金統合」とは似て非なるとあって、自民党厚労部会では「羊頭狗肉(くにく)」「適用除外拡大法案だ」との批判も飛び出した。
【産経新聞】年金一元化法案 閣議決定 パートの加入基準拡大
4月13日16時3分配信
政府は13日、公務員や私学教職員が加入する共済年金の優遇制度を廃止し、平成22年度から会社員の厚生年金に統合する年金一元化法案を閣議決定した。パート社員の厚生年金加入基準拡大も盛り込まれており、政府は同日中に法案を国会提出する。国会日程が厳しいため今国会での審議入りは困難な情勢だが、早いものは20年度からの実施が予定されているため、政府・与党は秋の臨時国会での成立を目指す。
厚生、共済両年金の一元化は、「官民格差」の象徴とされてきた共済年金の優遇策を厚生年金に合わせる形で段階的に見直し、「共済年金」の名称も廃止する。
主な改正点は、恩給制度時代に働いていた公務員OBの年金給付財源として税投入する「追加費用」を20年度から減額し、公務員OBの年金額を最大10%カット▽共済の保険料率を22年から段階的に引き上げ、公務員共済は30年、私学共済は39年に厚生年金の最終保険料率18・3%にそろえる▽共済のみの上乗せ支給制度「職域加算」は22年に廃止▽会計処理は特別会計「厚生年金勘定」に一本化−など。
企業年金を参考に、職域加算の代替措置として検討されてきた新たな公務員上乗せ年金は法案に盛り込まれなかったが、付則で「19年中に検討し別に法律で創設」と明記し、道筋を付けた。
一方、パート社員の厚生年金加入基準拡大は、23年9月から実施する。(1)週20時間以上勤務(2)月収9万8000円以上(3)勤務期間1年以上−のすべてを満たす人が対象で、従業員300人以下の中小企業や学生は除外。健康保険と介護保険も同じ基準で同時に拡大する。
◇
■格差是正に程遠い内容
パート労働者の厚生年金の適用拡大を盛り込んだ年金一元化関連法案では、新たに適用対象となる人がわずか10万〜20万人に絞られる見通しで、首相官邸主導の「再チャレンジ支援策」としては極めて不十分な内容となった。
厚生労働省は「就職氷河期に社会に出たフリーターが将来、低年金となるのは見過ごせない」(幹部)との問題意識から出発したはずだった。全国のパート約1200万人のうち約900万人は厚生年金が未適用だが、今回の案では新規加入はこの1〜2%にとどまる。正社員とパートの格差是正には程遠く「何のための拡大か」と疑問の声が上がっている。
最大の原因は、パート雇用の多い流通、外食業界が新たな保険料負担を嫌って反対したこと。さらに、業界が「主婦パート本人も反対だ」と主張したため、参院選を意識した与党議員が“骨抜き”に走る展開となった。
実質的な議論は昨年末からと時間が短く、論議は適用の要件に終始。主婦パートら保険料負担のない「第三号被保険者」の問題など、年金制度の根本的な課題が取り上げられることはなかった。
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