昨年の都道府県別賃金調査が発表されたことが報道されました。

月給の地域格差が最高の東京都と最低の青森県で15万3300円の格差があることが分かった。この格差は前年より6000円、5年前に比べると1万5000円拡大。地域による景気回復のばらつきが、給与にも反映した形。
賃金が前年よりアップしたのが24都県、ダウンしたのが23道府県で拮抗している、との報道でした。

そこで
確認をしてみたところ、千葉県は所定内給与額(簡単に言えば課税される前の手取りから残業代を除いた1人当たりの月給)が月給32.0万円から30.4万と1万6千円のに大幅ダウン。その他首都圏では埼玉29.1万(1万ダウン)、東京37.5万(0.5万アップ)、神奈川33.2万(0.6万アップ)、茨城29.7万(0.1ダウン)、栃木28.4万(0.6ダウン)、群馬29.3万(0.9ダウン)などとなっています。

千葉県では5年前の平成13年31.6万であったのが、平成18年では30.4万。一時期上昇する機運もあったようですが、今回の大幅ダウンで景気拡大局面についてさらに疑問符がつきました。

景気の実感が湧かない理由はこんなところではっきりしています。もしかしたら、永田町が東京にあって外に出る機会が少ないから、安倍総理も経済閣僚も景気が回復しているというのかもしれませんね。

元気なところとそうではないところの差がはっきりとしてきた調査結果といえるのではないでしょうか。

【時事通信】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070209-00000148-jij-pol
【厚生労働省】平成18年賃金構造基本統計調査結果(都道府県別速報)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/t06/index.html

コメント

淵瀬春秋
淵瀬春秋
2007年2月10日18:54

 地域間格差、ということもありますが、所得間格差というのもあるのではないでしょうか。役員報酬は伸びる一方、ワーキングプアが増えるというマタイ効果が発生しており、当然閣僚・政務次官の交際範囲が役員トップの集まりである経済団体だったりする訳ですから、そりゃ、彼らに底辺の労働者の実態など判らないでしょう。
 統計はノンパラメトリックな手法を取り入れて表現することを考えた方がいいのかもしれません。

けんちゃん
けんちゃん
2007年2月12日7:17

>>淵瀬春秋さま
ご意見ありがとうございます。
確かにマタイ効果が起きているので、という理由が大きいと思います。
閣僚などの交際範囲も仰るとおりですね。ただ彼らは政治家なのですから、地元で多くの意見を吸収する役割も担っているはずです。忙しくて帰っている余裕が無いとすれば、地元を任されている秘書や後援会などが機能していないか、そもそも「景気の実感が湧かない」人が支援していないか、ですね。
実情を知らなければ、対処方法も考えられません。その意味で今の内閣は裸の王様のような状況になっているような気がします。
統計については、各官庁の思惑や仮定をもって取っていますので、公表される内容そのものが既に、仮定がない、もしくは緩やかな仮定だけ、というノンパラメトリック的なものではなくなっていますね。
それを作らせる努力を政治の側が自ら行うしかないのかもしれません。
が、情報収集という点では行政vs政治では政治の勢力が圧倒的に弱い。日本全国に張り巡らされた官僚組織に対抗できるものを議会や政党は持ち合わせていません。
政党が地域に根付いて、議員が足を使って調査を行っていかなくてはなりませんが、個人情報保護をうたうことによってさらに調査をすることがさらに困難になりました。(直近の国勢調査でも年収の記載などについては抵抗感が強く、町会役員が調査をするときにすら批判がでたのはご承知の通りです)
そこに個人の時間を優先する風潮があり、国や政治への信頼感が薄いために統計調査そのものが困難になってきています。
まずは行政や政治の信頼を回復しないと調査そのものができないかもしれませんね。

話が少しずれましたが、ノンパラメトリックな手法を取り入れて表現をする、ということについて良く考えてみたいと思います。

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